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謝罪会見を成功させるには...


謝罪文はネリネリに練りあげ、何度もブツブツと復唱し噛まずに言えるようにしているであろう。で、きっとその状態で、ぶっつけ本番に挑んでいるという…私から言わせてもらえば、むちゃくちゃである。

人はリハーサルでしたようにしか、本番もできない。


もぞもぞと話せば、そのようになり、紙に書いた文章に目を落としながら練習したなら、そのようにしかならない。


講演でもプレゼンでも人に影響を与える話し方をするには、最低10回は本番さながらの練習をしないと上手くいかないと言われている。特に謝罪会見はその究極と言えるのではないだろうか。

リハーサル何て恥ずかしくてできないし、そんな事はしなくてもやれる!その場になれば「反省」が見える態度は自然に表出する!と思っているかもしれないが、実際はそんなに甘くない。謝罪会見は容赦なく晒し者にされ、極度のストレス環境下に置かれる。まさに身に危険を感じる状況であり、想像以上の恐怖を感じるだろう。


人は身の危険を感じるとFreeze (すくむ) Flight (逃げる) Fight (戦う) という3Fのストレス反応を見せる。特に、逃げ場のない会見で、追いつめられると、気絶するか自己防衛のために噛みつきたくなるのが動物の本能。謝罪会見で気絶するわけには行かないので、人の闘争反応として反撃という行動がでる。つまり、相手を噛みつくように唇がめくれ上がるのだ。唇のフチは押さえきれない&反発したい気持ちが出やすい個所である。その一例が日大の謝罪会見で見られる。 動画内では手を上下に動かしており、それは「だ~か~ら~」と自分の言い分を何回も主張する時や、責められているような気持になると出てきやすいジェスチャー。記者からの質問への嫌悪、”捜査も手順もちゃんとやったんじゃい!!!”と言わんばかりの心境が微表情や動き、語気にも漏れ出てきているのがわかる。 会見を見ていて興味深いのは、語気が強まった後は、それを補うように真摯な表情を取り戻そうとしている点である。そのような話し方や態度はタブーであると頭では理解しているようだ。しかし、矢継ぎ早に質問が来るので、それが上手くいっていない。口周りの動きは繊細であり、特に舌で頬を裏から押す動作がある。これは怒りである。もう感情表出をコントロールするブレーキがぶっ壊れてしまい、暴走をどうにか止めようとしているのが分かる。 そう。。。どんなに完璧な人間でも、フッと本心が表出してしまうのだ。 (参考動画:49:02~あたりからhttps://www.youtube.com/watch?v=-R0CJ9vG7Gw)


もし3人でちゃんと事前に話し合い、謝罪の共通認識を持ってリハをして見返していたら、こんな態度で会見したら炎上すると分かり、回避できていただろうに。。。。 ならばどうしたら良かったのか。。。。


謝罪会見を成功させるには:

①第三者に見てもらいながらの本番さながらのリハーサルをし録画しておく。

会社なら危機管理部隊がいるはずなので、同席してもらうと良い。


②第三者に容赦ない質問をぶつけてもらい回答する。ここも録画しておこう。


③穴があったら入りたくなるほどの恥ずかしさを堪えて録画を見返す


④第三者に印象を聞く。誠心誠意謝罪をしているように映っているか、聞こえているかを聞き指摘ポイントを改善する


➄改善方法が分からなければ、マナー講師やイメージコンサル、ボイストレーナー、

謝罪コンサルタント、印象アドバイザーなど(私!)の専門のコンサルがいるので利用するのは1つの有効な選択肢である。


入念なリハーサルは、会見することに対して”納得がいっていない”という思いがあった場合など、それらの感情を整理してくれる時間でもある。感情整理がつかないまま本番を迎えるたら、会見中に少しでも闘争本能にプッと火が着くことがあれば、もうその会見はジ・エンドの道を進むこととなる。


リハでは、会見の背景には傷付いた人がいて、彼らの気持ちを自分事として捉えられているのかがキーポイントとなる。つまり、他者の心情を自分のことのようにして感じる想像力が必要となる。保身のための謝罪会見だとここの視点がずれてしまい、上辺だけの会見となる(ここはジャニーズ会見が例としてあげられる)。人の痛みが分かって、初めて謝罪会見が成立する。リハーサルはただやればいいのではない。その心がないと言葉と比例した態度や口調ができないことを肝に銘じ、リハーサルをし、謝罪会見に挑んで欲しい。

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